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グーグル検索履歴が証拠に・・・

アメリカの検察当局が、“Wi-Fi通信電波を妨害する方法”など、被告がグーグルの検索で使用した用語をハッキング行為の証拠の一部として提出。シカゴ連邦控訴裁判所において、有罪を認めた一審判決を支持した。

グーグルで検索した言葉が有罪判決の証拠として使われたのはこれが初めてというわけではないらしく、ノースカロライナ州での殺人事件では、被告が「首」「へし折る」「押さえつける」といった言葉を検索していたことを検察が証拠の一部として提出しているらしい。
ただし、検察側がどのように入手したのか、グーグル側が警察に命じられて提出したかどうかは明確になっていない。

グーグルは、プライバシー指針で、利用者がウェブを閲覧する場合に、ブラウザーが送信した情報が自動的に記録されると明記している。記録される情報には検索用語、IPアドレス、検索日時、そして利用者がクッキーの送受信を許可している場合は、利用者のコンピュータ識別情報が含まれる。グーグルは、利用者が検索結果からリンクしたサイトの追跡も可能であると認めているらしい。
問題は、グーグルが何年分その記録を保存しているか、何かに分析等に利用しているのか、誰かに提供しているのかっていうことであろう。

AOLは昨年、検索用語を記録する利用者ログ2000万件から、無作為で選んだ65万件のログを公開し、いかに重大なプライバシー侵害をもたらすおそれがあるかを実証したらしい。

検索用語が証拠として使われるってきいて、直感的に怖い!って感じるのだが、何故か。
“こういう情報を集めていた”というのは、これまで、図書館での貸出履歴や本や品物の購入、通話記録とかで立証していたんだろうけど、検索用語自体を証拠として使われることの違いは、例えばある人の検索履歴をたどれば、その興味の範囲や生活スタイル、購入品まで広範囲にわたって簡単に把握できちゃう可能性があるっていうことか。もちろん、検索用語だけで容疑を立証しているわけではないだろうが、ちょっと思い付いて検索してみただけのものが証拠能力をもってしまうと、思想的なチェックにまで展開されてしまいそうな怖さも感じる。

一方で、グーグルのような検索エンジンは、日本の個人情報保護法やアメリカのプライバシー法の対象とはなりにくいだろう。そもそも検索用語やIPアドレスだけで“個人を識別することができる個人情報”というのは難しいのではないかな。他にグーグルがどんな情報をもっていて、名寄せとか照合とかできるのかっていうことにもよるんだろうけど。
何かアメリカで問題が起きたりしたときに、規制法みたいのができるのかなあ。

by yokopw | 2007-03-12 20:35 | ちょっと考えたこと  

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