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カテゴリ:映画( 33 )

 

モーターサイクルダイアリー The Motorcycle Diaries

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チェ・ゲバラ(Ernesto Guevara)とグラナード(Alberto Granado )のバイクでの南米縦断旅行を、ゲバラの日記をもとに再現したもの。
今にも壊れそうな(実際途中で壊れてしまったが)バイクにまたがり、半ば行き当たりばったり的旅で出会った様々な人を通じて、二人が変わっていく様がよく描かれている。

泊めてもらうために近づいたチリの女性、治療を頼まれた老婆、警察に追われている共産主義者、アメリカ資本の鉱山で働くインディオ。。。
南米のヨーロッパであるブエノスアイレスでは、全く接点のなかった人々との出会いだったのであろう。

ゲバラはハンセン病を専門とした医学生であったことから、旅の途中でハンセン病療養所を訪れ、治療にあたっている。そこでは、患者と医師達の住む場所とが大きな川で隔てられ、ボートでなければアクセスできない。
ゲバラは、純粋に、患者が隔離されていることに疑問をもつ。インディオが先祖代々の土地から追われたり、鉱山労働者が危険に晒されながら働いているのと同様に。

彼は最終的に武力で社会を変えるというラディカルな手段をとる。しかし、彼の眼には、資本家が国家警察などの暴力装置を活用してインディオを家から追い出しているように、貧富の格差が放置されている現状そもそもラディカルに映っていたのであろう。
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社会革命を目指すきっかけとなる過程であり、その後の「チェ 28歳の革命」「チェ 39歳 別れの手紙」につながっていく。

グラナードは、カラカスでゲバラと別れてから8年後、ゲバラ司令官をキューバに訪ねたそうだ。そして、ゲバラの死後は、ハバナで医学部を創設したらしい。
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by yokopw | 2009-02-11 22:53 | 映画  

チェ 39歳 別れの手紙 (GUERRILLA)

「チェ 28歳の革命」の後編。f0064307_023137.jpg
チェ・ゲバラ(Ernesto Che Guevara)のボリビアでのゲリラ活動を追っている。前編ではキューバ革命を成功する過程に焦点をあてていたが、後編はカストロがゲバラの手紙を読むところから始まる。ここにはもう自分は必要がない、自分を必要としているところに行くと。
キューバで築いた地位や家族をすべて捨てて、彼は、37歳にして別の地で革命を起こそうと周りに黙ってキューバを離れたのである。

が、映画を見る限り、ボリビアでの戦いは相当悲惨なものだった。全く組織化されていず、ゲバラ以外に部隊を統率する司令官的立場の人は特にいなかったようであり、加えて、農民達からの支持も得られず食糧や兵士の調達に相当苦労を強いられている。ボリビア独裁政権が米の支援を受け、ベトナム戦争時の戦い方等を指南してもらい、早い段階から農家等に協力するようにしかけたという点もあるのかもしれない。
また、カストロはキューバ革命において、早い段階で共産党など、意見に違いはあるものの現政権に対抗するという点で一致し、協力関係を築くことにより、運動を大きくしていくことに成功したが、そのような政治的動きに失敗したところも大きいのかもしれない。

前編・後編を通じて残念なのは、なぜ彼がキューバを去ることになったのかという点について全然触れられいないこと。米と敵対関係となったキューバの立場から、カストロはソ連に接近していく。しかし理想家であるゲバラにとっても、ソ連も帝国主義を続けている国であり、政治的妥協が許せなかった。他にも現実的な路線をとっていくカストロとの方向性の違いから、キューバを離れることを決意したのだと思う。
この経緯が大事なのは、ゲバラは共産主義などという主義主張のために戦おうとしているのではなく、貧困から抜け出すためには武力闘争もやむを得ないのだと考えている点である。労働者が酷使され、虐待されて、団結してストを起こすと武力で制圧される、これに対抗するのに武力を使うのがなぜおかしいのかと。あるいは武力を使わなければ変わらないではないかと。

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農民の支援も受けられず、兵隊の士気も下がる中、徐々に追いつめられるゲバラの様子は痛々しい。ボリビア政府の掃討作戦で負傷し、捕まり、処刑され、彼の死体はメディアに公開される。革命の士気をそぐための政治的メッセージであろうが、何も殺す必要はなかったように思えてならない。

なお、サルトルはゲバラの死後、彼のことを"not only an intellectual but also the most complete human being of our age"とコメントしたらしい。
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by yokopw | 2009-02-01 00:52 | 映画  

ヒトラーの贋札(Die Fälscher,The Counterfeiters)

ナチスがイギリス経済をかく乱するため、強制収容所のユダヤ人達に紙幣偽造をさせたベルンハルト作戦を映画化したもの。実際に1億ポンド以上が偽造されたとか。

強制収容所送りとなった囚人の中から印刷工や元銀行員、通貨偽造詐欺師等をほかの囚人から完全に隔離し、彼らにはほかの囚人とは破格の待遇(といっても白いシーツ付きのベッドとか歯ブラシ支給とか、シャワーが浴びられる等のレベルではあるが)で処遇し、その代り、ポンド偽造に従事させる。囚人の間で起こる、ナチスの利益となる偽造に協力するのか、あるいはサボタージュをして殺されるか、葛藤が描かれている。
実際に、ポンドが成功した後はドル紙幣の偽造を命令されていたが、それはサボタージュにより完成をだいぶ遅らせたようである。


映画の主人公であるサリーは贋札師で、要するに偽札や偽造パスポートを作って生業を立てていたわけで、そういう意味では犯罪者である。一方、収容所の中で彼は、絶対仲間を見捨てないというモラルを徹底するモラリストでもある。
いくら多少他の囚人よりもいい待遇を受けているからとはいえ、ナチの作戦に加担することは、ユダヤ人からすれば当然、自分たちの首を絞める結果をもたらすわけで、正しいことではないかもしれないが、「できる限り生きることを優先」させ、仲間(自分も含めて)を助けることに善悪のボーダーを引いているところが非常に面白い。

この作戦に駆り出されたユダヤ人印刷工エアドルフ・ブルガーの本を基に制作。解放後、彼は偽札作りに関与させられたこと(あるいは強制収容所のこと自体)に触れたくなく、長らく沈黙を守っていたが、ドイツの右派的動きを懸念して、筆を執ったとインタビューで応えている。
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by yokopw | 2009-01-28 10:47 | 映画  

American Gangster

実話というのが、驚き!
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1960年代後半のニューヨーク、ハーレム。ギャングが街を取り仕切り、警察内にも腐敗がはびこり取り締まるどころか、押収した麻薬をギャングに横流し。

そのハーレムに革命を起こしたのがFrank Lucas(Denzel Washington)。麻薬の純度を高め、かつ、市価の半値で"Blue Magic"ブランドを売り出したのである。これを実現するために、彼は従来の麻薬入手チャンネルに頼らず、ベトナム戦争でタイに駐留している米兵をつてに
東南アジアから直に麻薬を密輸。それもベトナム帰還兵の棺等に隠して。
Blue Magjicはニューヨークに幅広く浸透。これによりFrankは一気にハーレムの主となり、富を築く。
このBlue Majicを追及したのがRichie Roberts刑事(Russell Crowe) 。
Frankが自分の母親を教会に連れて行っている間に、RichieがBlue Majicを製造していた部屋に突入、兄弟等を逮捕し、Frankが教会からでてきたところ静かに取り押さえるシーンはGod Fatherのシーンを想起させる。
Frankを逮捕後、彼はFrankの協力を得て、ニューヨーク警察の汚職警察官逮捕へと矛先を向ける。そして、警察を退官し、Frankの弁護士となったというエンディングを見て、さらに驚き!!
ただし、警察汚職については、このような汚職の事実はなく、不当に警察の名誉が汚されたということで退職警察官が訴訟を提起したようだが、ニューヨーク警察官ではなかったので棄却された模様。
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by yokopw | 2009-01-27 00:11 | 映画  

No Country for Men (ノーカントリー)

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意外な展開づくしの後に残るようなミステリー風,独特な映画。

舞台は70年代テキサス。
やはり、強烈なのは、精神的に異常というか、超越している殺し屋Anton Chigurh (Javier Bardem)の存在。「異常」といっても常に冷静沈着、合理的に人を迷わずドンドン殺していく。ただ、一応、彼なりの正義があって、その勝手な理屈に則って殺すべきかどうかを判断している。例えば、コイン・トスで当るかどうかとか、約束を守ったかどうかとか。。。
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会話や人々の行動はすごくノンビリ、ゆっくりしているところがある反面、Chigurhはものすごい勢いで殺し、ストーリーが展開していく。
保安官Tommy Lee JonesがChigurhを追い詰められず、退職してしまうところが、冷静には理解できる展開だとしても、えぇぇ?終わってしまったの?感が残った。
映画としても悪くはないが、本の方がもっと迫力があるのかも。
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by yokopw | 2009-01-24 22:37 | 映画  

愛の絆 (A Mighty Heart)

Angelina Jolly主演のノンフィクション映画。

2002 年にパキスタンで取材中、テロリストに誘拐されたウォールストリート・ジャーナル紙の記者ダニエル・パール。同じくジャーナリストで、妊娠中の妻(Angelina Jolly)が彼の行方をパキスタン警察や米大使館等と連携しながら追跡。

映画を見ながら次第に、オレンジ色の囚人服を着せられた捕虜が座らせられ後ろに覆面をし銃や刀を持った男たちがアラビア語で聖戦だ~!的なことを言いながら、処刑をするニュースを思い出した。
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by yokopw | 2009-01-24 12:35 | 映画  

チェ 28歳の革命

f0064307_2013921.jpgチェ・ゲバラがカストロ等と一緒にキューバを徐々に制圧する革命の過程に焦点。
司令官として部隊を統率していくところから、兵士一人一人の間のいさかいを仲裁したり、医師として隊員や村人を介護したりと、きめ細かく何でもやれるリーダーという印象。

国連で演説している実映像なども使われており、各国に対する反論も自分の言葉で語っていた。暗殺計画があるとの情報に、キューバからついてきたボディーガードに別の車に乗るように指示。ボディーガードが食い下がると「誰も死なないよ」と。なんか、かっこいいのである!

後半「39歳 別れの手紙」が楽しみである。 元ナチSSの高官、クラウス・バルビーの生涯を描いたドキュメンタリー「敵こそ、わが友」で、チェ・ゲバラをCIAと協力して捕まえ、死刑にする部分が触れられていたのを思い出した。
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by yokopw | 2009-01-23 20:01 | 映画  

Black Book

いやぁ~疲れた。疲れるくらいに最初から引き込まれてしまった。f0064307_22134760.jpg

1944年、第二次大戦中のオランダ、ユダヤ人女性のラヘル(カリス・ファン・ハウテン)は、その美貌と機転と大胆さを駆使して対ナチスのレジスタンス活動を生き抜く。
史実をもとに、誰が敵で誰が味方なのか、サスペンスの要素も取り入れられていて、ドキドキしっぱなし。最初の場面で、戦後、イスラエルでのラヘルが生活しているシーンから始まるため、彼女が死んでしまうことはない!と思って見ていられるのが救いだった。

また、ドイツが降伏した直後、レジスタンス活動をしていた人が英雄としてパレードをすると同時に、ナチス軍に加担したオランダ人が糾弾されるシーンも映し出している。ロバートキャパの写真で、確かフランスだったと思うが、ナチス軍相手に興行していた女性が台の上に坊主にされて並ばされているのを見たことがあったが、そういったシーンも生々しく表現されていた。

最後も、建国直後のイスラエルに場面が移るのだが、銃弾の音が聞こえており、戦争は場を代えて続いているというところまでフォローしているのが、印象的であった。

静かだが途切れずに続くドキドキ感は、ドイツ映画の「トンネル」や「善き人のためのソナタ」を観ている時に感じたものと似ており、実際、この映画でドイツ軍将校のムンツェ役を演じたゼバスティアン・コッホは「トンネル」にも出演しているし、「善き人のためのソナタ」ではドライマンという結構渋い役をやっている。時代設定やテーマとしては、フランス映画「レセパセ」を想起した。

おぉぉ!wikiによると、ゼバスティアン・コッホはカリス・ファン・ハウテンと交際中らしい・・・・映画の中では、果たせぬ恋だったのだが、現実で実るとは・・・
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by yokopw | 2008-09-28 22:30 | 映画  

Freedom Writers 

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アメリカ、LAで、ギャングの抗争地域の学校に赴任した新任先生Erin Gruell (Hilary Swank)。授業を無視し、人種間闘争に明け暮れる生徒から、徐々に信頼を得、国語の授業の宿題として日記“Freedom Writer Diaries”を書くことを提案。家庭の事情や友達との関係など、生徒も段々に日記を通じてオープンになり、学校にくる意義を見出していくという実話。

いわば、「ごくせん」を地でいったって感じ。先生はやくざではないが。。。が、生徒への熱の入れ方なんかは、かなり近い。
この話をABCニュースが取り上げ、それが映画化のきっかけになったらしい。

あらすじを書くとあんまりインパクトがないが、予想以上に引き込まれた。生徒って、先生をよく見ている。大人になると忘れてしまうが、大人が気がつかないようなことまで観察している。先生が真剣に生徒に向き合っているということを感じ、生徒も心を開くようになっていく、手ごたえを感じた先生はもっとのめりこんで行く。。。
本来、教師が与えることのできる影響力の大きさを感じる。
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by yokopw | 2008-09-26 19:57 | 映画  

母べぇ

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戦時中、文学者である父(野上滋)が治安維持法違反で逮捕され獄死。それでも、母と娘たちは父を信じて生き抜くというストーリー。家族を助けていた父の教え子・山崎も兵隊にとられ、戦死するなど、家族を通して戦争の悲劇を訴えている。

治安維持法のような国家監視下で、自分がどこまで強く自分の思想や信念を守りぬけるのかというの問題は、本当に難しい。実際、野上滋のように戦争に反対して投獄され、拷問されても考えを貫いた方々はすごいと思う。
その上で、ただし、この場合、野上滋は、何か運動をしていたわけでもなく、彼が情報をもらしたことにより他の人が捕まるとか、傷つくとかいうことはなく、純粋に彼自身の納得がいかなくなるという設定。父が逮捕されたことにより、家族がつらい思いをしたり、母べえが家計を支えるので無理をして倒れたりという状況に陥っているのを考えると、野上が獄中で本を読み漁っているというのは、何とも歯がゆい思いがした。

いずれにせよ、大変な時代だった。。。
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by yokopw | 2008-09-26 18:43 | 映画