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ピカソ展

国立新美術館、思ったよりも良かった。

印象に残ったのは、並んで展示されていた二人の女性の肖像画。1937年の同時期にかかれているんだけど、なんと、この二人とも愛人。
「ドラ・マールの肖像」ピカソ展_f0064307_23473129.jpg
     「マリー=テレーズの肖像」
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ドラ・マールがシャープできりっとした線で描かれているのに対し、マリー=テレーズは、ピカソの娘を生んでいることもあってか、やわらかく丸みを帯びていて、あわい色を基調として描かれている。
ドラ・マールは写真家で、この時期制作された「ゲルニカ」を撮影したというエピソードも残っているが、この二人の女性はゲルニカの前で大喧嘩をしたこともあったとか。

また、ピカソは終始政治的な事柄を絵に書くことはあまりしなかったようだが、スペイン内戦だけは別格だったようである。フランコ将軍を愚弄した漫画のような絵「フランコの夢と嘘」もなかなか興味深い絵であった。
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ちょっと見にくいけど、左側の馬にまたがってドンキホーテのごとく浮かれているのがフランコ将軍。で、その右側に悲惨な現実が描かれている。
「朝鮮の虐殺」と朝鮮戦争を題材に、戦火の悲劇を描いているのも初めて知った。

90歳前後になって描いた「家族」や「母と子」といった絵も展示されていたが、この年齢になっても、目を見張るような色使いは全く衰えず、驚くばかり。

彫刻や工作品も置いてあって、彼は「自分が見たものを印象に残ったとおりに再現する」ということについて、絵画に限らずありとあらゆる手法を使って試みていたんだということを感じた。

相当気まぐれ、わがまま(でも、それが魅力?で数々の魅力的な女性をゲット?)な感じのピカソだが、天才は絵画にしても彫刻にしても、何でもできるんだなぁと改めて実感。

by yokopw | 2008-12-01 00:22 | 芸術  

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