父親たちの星条旗 (Flags of Our Fathers)

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硫黄島の戦いの現場、個々の米兵や日本兵の視点を描いているというより、星条旗を掲げているこの写真の6名の登場人物を中心に、戦場、そして戦後の人生を追うストーリー展開。 6名の人物について、戦場と戦後の様子を繰り返し繰り返しフラッシュバックしながら進められており、加えて、6名の中心人物以外で、実際に硫黄島で戦った兵士などのインタビューなども盛り込まれており、これは誰だ?いつの話だ?と追っかけるのに結構疲れた。

星条旗を揚げるこの写真は私もどっかでみたことがあると思うほど有名。この写真が戦時中に新聞に掲載されるや、国は"victory"の象徴として、彼らに目をつける。直ぐ国内に連れ戻すよう命令するが、すでに3名は戦士しており、3名のみが帰国。そこで“英雄”として担ぎ出され、特に、国債の購入などのPRに活用される。3名のうち1名は、前線から外されていたメッセンジャーでかなり積極的に“英雄”の役を演じきるが、残りの2名は戦死した戦友や今も戦場で戦っている兵士を思いながら、“英雄”として扱われることに苦悩する様子が描かれている。

戦場の前線に立ち、他から“英雄”と見える人程、自分が生きているという事実に謙虚になり、自分は英雄ではないと苦しみ、前線に立っていない兵士や国民の方が“英雄”を作りたがるような気がした。視点によって“英雄”の定義が変わるということをテーマにしている点は、「戦火の勇気 (Courage Under Fire)」を想起させる。

ただ、これがメインテーマであるなあらば、別に戦場はどこでもよくって硫黄島である必要はなく、実際、日本軍はあまり描かれていず、印象も特になかった。折角、日米の視点から2部立てで制作しているなら、もっと、個人の日本兵と米兵とのやりとりとか、今、両方の兵士が同じ場に集って慰霊式を行っているようなことに繋がるような話とか、とりあげればよかったのにと思う。
(ノーマンズランドは、戦闘中の両方の兵士個人に焦点をあてていて、かなりリアルだと思う。さすがヨーロッパ)
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by yokopw | 2006-10-29 00:28 | 映画  

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