ヒトラー「最後の12日間」/ The Downfall

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ヒトラーの私設秘書Traudl Junge(当時22歳)の視点から、ヒトラーが追い詰められ自殺するまでの12日間が描かれているこの映画は、彼女自身のインタビューで締めくくられる。

"I realized that she (Sophie Scholl)
was the same age as me,
and I realize that she was executed
the same year I started
working for Hitler. At that moment,
I really sensed it was no
excuse to be young and that
it might have been possible to find out what was going on." --

ゾフィ(ミュンヘン大学の学生で反ナチのビラを学内にまき逮捕・処刑)と私は同じ年齢で、私がヒトラーの秘書を始めた年(1943)に彼女は処刑された。若かったというのは全然言い訳にならない。何が起きているのか、知る方法はあったであろうに… Traudl Junge:Hitler's Secretary

ヒトラーを一人の人間として描く時期にきているのかどうか、ドイツ国内でも非常に議論をよんだ作品である。
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なんといってもヒトラー役のBruno Ganzの演技がすごい。ちょっと猫背気味、パーキンソン病からくる指の震え、急に怒鳴り散らす荒い気性。ベルリン市内に迫るソ連軍を前に打つ手を失い、現実と妄想とが入り交じって滅茶苦茶な指示をする様は、常軌を逸した冷酷な独裁者というより、追い詰められた一人の人間の行動として、ある意味、違和感なく受け入れられる。
Ganzは「自分で役に共感をもてず、さらに、人々にヒトラーという人物像に共感をもたせることができなければ、役者として自分は失敗したということだ」とコメントしている。

一方、違和感ありまくりなのが宣伝大臣ゲッペルスとその家族の存在である。ヒトラーを信奉し、ヒトラーが指揮不能に陥っているのが分かっていても、なお、狂信的に従い続ける。何かにとりつかれているような、そんな怖さを感じるとともに、彼に対する興味がわく。
ゲッペルスは、ヒトラーとエヴァ・ブラウン(自殺直前に結婚してヒトラー夫人となる)の自殺を見届け、6人の子供に青酸カリを与えて殺した後、夫人とともに自殺する。

ゲッペルスについては、“The Goebbels Experiment”という映画が昨年、ドイツで製作されている。1924年から1945年までの彼の日記をもとに、自分に語りかけるような構成になっているようだ。

ドイツでは、ここ数年、次々と第二次世界大戦でのタブーに挑戦する映画が製作されている。いちいち賛否両論起きているようだが、タブーに向き合い、議論をし続けることがいかに大変かは、日本人だからこそわかるし、また、日本との差を感じずにはいられない。
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by yokopw | 2006-04-05 21:02 | 映画  

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