緊急記者会見における進行役の役割

あるPRコンサルが主催するセミナーで緊急記者会見を模擬体験したことがある。
自動車の部品工場で火災事故、従業員2名が死亡、数名が重症で入院中。現時点では
近隣への被害はないと思われる。事故から2時間経って最初の会見に臨むという想
定。会見に臨むのは社長、技術部長、工場長で、広報担当が司会。私は社長役。

「人が死んでいるんだぞ!」と実際にヤジもドンドンとび、フラッシュもバシバシた
かれる中で「すいませんでした。」と記者の前で頭を下げてみると、模擬ですら緊急
記者会見の難しさを実感する。

f0064307_0435095.jpgその中で、学んだことの一つが、司会役の仕切りの重要さ。記者の質問には、想定外のもの、わざと感情をさかなでるもの、繰り返しのものなど、いろんなものが入っている。記者が興奮して次から次へと質問を浴びせてくるのに対して「まずは○×社さんからお願いします」というような交通整理。あるいは、過去の事故の実績などを聞かれて、応えに窮したとき、司会の方で、「調べて直ぐに資料をお渡しします」というようなコメント。

事故直後の会見の目的は、死者がでるような事故を起こしてしまったことへの謝罪、把握している事実関係、今後の対応である。
まだ事実関係や今後の対応なども決まっていないことが多い中での会見なので、応えられないことも多く、言葉はかなり慎重に選ばないといけない。社長は「流ちょうに・言葉巧みに」話すというより、謝意と誠意ある対応を伝えることが重要になる。
そういう意味で、比較的ニュートラルな立場である司会が、ある程度、質問を裁いてくれるというのは、質問の矢面に立ちプレッシャーをかけられている社長には大変ありがたいはず。
模擬体験の時に、非常に慣れた人が司会役に入ってくれたので、私達会見者の方は、質問に対して考える時間や冷静になる余裕もできた。

幸いにも実際にこの体験を直接活用する場に遭遇していないが、これ以降、パネルディスカッションをはじめ、一般的な会見、特に話してが数名になる場合などでの司会/moderatorの役割に目がいくようになった。地味だが流れを左右しうる重要な役割を担っている。
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by yokopw | 2006-03-17 00:21 | communication  

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