モーターサイクルダイアリー The Motorcycle Diaries
2009年 02月 11日
チェ・ゲバラ(Ernesto Guevara)とグラナード(Alberto Granado )のバイクでの南米縦断旅行を、ゲバラの日記をもとに再現したもの。
今にも壊れそうな(実際途中で壊れてしまったが)バイクにまたがり、半ば行き当たりばったり的旅で出会った様々な人を通じて、二人が変わっていく様がよく描かれている。
泊めてもらうために近づいたチリの女性、治療を頼まれた老婆、警察に追われている共産主義者、アメリカ資本の鉱山で働くインディオ。。。
南米のヨーロッパであるブエノスアイレスでは、全く接点のなかった人々との出会いだったのであろう。
ゲバラはハンセン病を専門とした医学生であったことから、旅の途中でハンセン病療養所を訪れ、治療にあたっている。そこでは、患者と医師達の住む場所とが大きな川で隔てられ、ボートでなければアクセスできない。
ゲバラは、純粋に、患者が隔離されていることに疑問をもつ。インディオが先祖代々の土地から追われたり、鉱山労働者が危険に晒されながら働いているのと同様に。
彼は最終的に武力で社会を変えるというラディカルな手段をとる。しかし、彼の眼には、資本家が国家警察などの暴力装置を活用してインディオを家から追い出しているように、貧富の格差が放置されている現状そもそもラディカルに映っていたのであろう。
社会革命を目指すきっかけとなる過程であり、その後の「チェ 28歳の革命」「チェ 39歳 別れの手紙」につながっていく。
グラナードは、カラカスでゲバラと別れてから8年後、ゲバラ司令官をキューバに訪ねたそうだ。そして、ゲバラの死後は、ハバナで医学部を創設したらしい。
by yokopw | 2009-02-11 22:53 | 映画