田中均「プロフェッショナルの交渉力」(2009)

 小泉政権下で北朝鮮拉致被害者帰国が実現した2002年当時、アジア太平洋局長として中心的ポジションにいたことから、その時の交渉経過などもう少し具体的な記述があるかと期待したのだが、ところどころ実務での経験が引用されているものの、それ程新鮮な内容の記述があるわけではなく、がっかり。北朝鮮関係も、逆にマスコミからのバッシングへの反論のような視点が中心で、もう少し客観的な記述がほしかった。
 経験を記述のためのフレームがないために、散漫な印象になってしまうのかとも感じたが、このフレームというのがなかなか難しいのだなぁ。
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# by yokopw | 2009-12-30 11:46 |  

岡義武「近代日本の政治家」(1960)

 伊藤博文、大隈重信、原敬、犬養毅、西園寺公望の5人に焦点をあてながら、明治政府樹立から第二次世界大戦への突入の政治過程を描きだしているもの。もともとは岡東大教授がご進行用にアレンジしたものらしく、政治的動きそのものだけでなく、その人となりにも焦点があてられており、面白く読み進められる。
<抜粋>
・ 清浦圭吾は山県有朋のことを追想した談話の中で伊藤に言及し、山県公は使えると思った人間を一度用いると、そのものの頭脳や能力などは問題にせず、さほど大きな過失を犯さない限りは決して捨てずに、末永く面倒を見てやった、そのため、使われた者も山県公にすべてをささげることになった、これに反して、伊藤公は適材を発見してこれを適所に用いたのち、用がすめば放置して後は顧みなかった、といい、伊藤の女性関係もその点は同じであった、伊藤は女色を好み、方々で芸妓、雛妓と関係を結んだが、一旦飽きるとあとは忘れたようで、自分の関係をしていた女を人に世話したりした、これが、万事についての伊藤公のやり方であった、と語っている(p41)。
・ 明治日本の外交は、西洋帝国主義、しかし、諸国に対する関係においてはきわめて慎重で、一般にむしろ従属的色彩を帯びていたが、清韓両国に対する関係ではこれと反対にとかく攻勢的態勢をとった。このような我が国の外交を、今仮に一個の人間に喩えてみると、それは抵抗の強い場合には弱く、抵抗の弱い場合に強く出る伊藤の人となりにしても、必要似ている(p46)。
・ (大隈)自己自身について強烈な自信を持った彼は、他の物を必要に応じて起用しても、必要去れば別段そのあとの面倒をみようとはしなかった。又その自信の故に、自分の周辺に配下を作ってその力を結集して自己の立場を鞏固に築こうとも企てなかった(p68)。
・ (大隈)極度に外発的、外向的な彼の性格は、政敵を攻撃する場合に特に最も端的に現われていて、論調は時にしばしば余りにも威圧的、恫喝的となり、聴く者の間に往々反感を抱かせた。大隈はかつて座談で、パリ平和会議での我が国外交のことを批評して、何でもよいから最初に怒鳴って相手の度肝を抜いておくと、仕事がやりやすいものだ、パリ会議でのウィルソンやクレマンソーのやり方もつまりこれだ、日本代表もそうすべきであった、と言っている(p70)。
・ 犬養の直情性と原のこの如才なさとは、元老・藩閥に対してこの二人の政治家がとった態度の差とも照応する。山県有朋はかつて杉山茂丸に語って、朝野の政治家の中で自分の許を訪れないのは犬養毅と頭山満とだけだと言ったが、犬養は昭和6年のその組閣までは元老の門を叩いたことはなかった(p156)。
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# by yokopw | 2009-12-30 11:43 |  

入江昭「日本の外交-明治維新から現代まで」(1966)

この本の根底に流れる著者の問題意識は、明治維新から現代まで、日本の外交には東西協調あるいは対立というドグマがあるだけで、外交の基盤にある思想が欠如していたというもの。 日米の観点だけでなく中国、英国など別のアクターも加味しているところが特徴。
 外交における抽象的思想の欠如は、常に現実主義的対応を優先してきている現代(70年以降)の外交にも通じる問題といえる。一方で、特に明治維新から第一次世界大戦まで、列強からの支配をいかに防ぐかと戦々恐々としながら、西欧諸国をモデルに必死に政治経済体制の近代化、富国強兵を進めた日本政府に、理想的な外交を掲げる余地があったかには疑問に感じる。例えば、日本と東洋の特殊性を強調し、アジア諸国に自由と独立をもたらすという政府の現実主義に対抗するアジア主義思想の興隆が取り上げられているが、帝国主義列強に東洋の特殊性を強調することにどれ程の説得力をもったか疑問であり、ある程度の近代化を達成し、国力を高め、国防を確保できるまでは、そもそも理想的外交を展開するという選択肢はなかったのではないか。
また、一方、1870年代から第二次世界大戦終了までの間、帝国主義列強にはどのような外交思想が基盤となっていたのか、政権を貫くような一貫とした思想があったといえるのか、共産主義や民族主義といった一部の例外を除いて、日本と同様に現実主義的対応が先行していたのではないか。例えば、代表的外交の名手として常に上がるイギリスは現実主義的対応が中心といえるのではないか。
本全般を通じて、「思想」という言葉がイデオロギーから外交的伝統まで含めて広義に使われすぎているため、混乱させている印象を受ける。思想の流れとして、政治的指導者の考えを追っているが、国家の根底に流れる外交思想を形成するのは、その時その時の指導者の考えのみによるのだろうか。
 第二次世界大戦後、大戦前の外交の失敗にかんがみ、例えば、ヨーロッパで生まれたEC構築の流れのように、日本政府内外において外交思想の基盤を立て直す(見直す)という機運があったことについても、考察がほしかった(バンドン会議の発想はEAECへ)。

・明治期、外に目を向けざるを得なかった理由の一つは人口問題(8000万人をどうするか)
・西園寺公望(最後の元老、founding father)は非制度的存在であり、西園寺没後、陸・海軍を抑える力弱体化
・チャーチル、日本がパールハーバーを奇襲せずシンガポールからインド洋に侵攻していたら、米は参戦への大義名分もたたず、困ったことになったであろう。(マレー半島が太平洋戦争の最初)
・戦後、台湾と朝鮮が日本の敵対的国家支配下にはいらないということを米が保障
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# by yokopw | 2009-12-30 11:38 |  

核をめぐる二枚舌

オバマ大統領が4月5日、チェコの首都プラハで演説。核兵器を使用した唯一の核保有国として行動する道義的責任があるとして、「核兵器のない世界に向けた具体的な措置を取る」と宣言。
一方で、北朝鮮のテポドン打ち上げに続いた核実験により、核議論が盛んになっている。

そもそも北朝鮮のテポドン発射にかかわらず、オバマ米政権の発足以来、なぜか機会をとらえて日本政府は同盟の重要性を確認するだけでなく、核の傘の維持(核抑止を含めた米国の日本への防衛)を執拗に念押っしている。
(2月17日=クリントン国務長官訪日▽同24日=ワシントンでの日米首脳会談▽3月31日=オランダ・ハーグでの日米外相会談。▽同24日=日米首脳電話協議)

オバマ大統領のかなり思い切ったプラハでの演説に賛辞を送ったり、今秋予定されているオバマ大統領訪日の際に広島によるよう要請したりしている(ちなみに秋の訪日は、中国に行くのに配慮して日本に事前に寄ることがが予定)。

そもそも核をめぐっては、日本政府は国内(やアジア向け?)には非核三原則などを提唱しながら、一方で、たとえば、佐藤栄作首相が1965年、首相として初訪米した際のマクナマラ国防長官との会談で、中国と戦争になった場合には「米国が直ちに核による報復を行うことを期待している」と、先制使用も含めた核による即時報復を要請したり、米政府と核持ち込みについての密約を交わしたりしている。

表向き核廃絶をしたい、でも、実質、核の脅威がある以上、核に守ってもらわないと困る、っていう外交はいつまで続くのだろうか。
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# by yokopw | 2009-06-02 12:06 | ちょっと考えたこと  

駐日大使

19日、駐日大使に、シリコンバレーの弁護士事務所最高経営責任者(CEO)で、オバマ氏の大統領選を資金集めの面から強力に支援したジョン・ルース氏(54)を指名する方針を決めた。。。らしい

 ジョセフ・ナイ元国防次官補・ハーバード教授に1月初め、打診があったって報道がなされていたが、それからだいぶたつので、ナイ教授、断ったのかなぁって思っていたのだが。。。。残念。。。。。

 オバマ氏の出馬表明前の同年2月初め、自宅で資金集めパーティーを開いたのを手始めに、大統領選を通じて多額の献金を集めたという。大統領就任式では、オバマ氏から数列目のVIP席を用意されたらしい。

 高額献金者が大使等等抜擢されるというのも、わかりやすいというか、大胆な制度だよねぇ。
 
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# by yokopw | 2009-05-20 13:46 | ちょっと考えたこと  

僕は脳性まひのトップセールスマン


TBSドラマ DOOR TO DOOR 「僕は脳性まひのトップセールスマン」、ついつい見入ってしまった。
フィクションだろうなぁって思ってみていて、最後に、ドラマのもととなった主人公のビル・ポーターの写真が映し出されびっくり! 77歳?で今も現役だとか。

原作は、主人公PorterのビジネスパートナーであるShelly Bradyが書いた "Ten Things I Learned from Bill Porter: The Inspiring True Story of the Door-To-Door Salesman Who Changed Lives"
邦訳のタイトルは、『きっと「イエス」と言ってもらえる』

ポーターが偏見といった制約を乗り越え、人を魅了して助けを得ながらやりたい仕事を実現させていくっていうことにも感心するのだが、それより、彼を母子家庭ながら、金銭的にも精神的にも支えて、そして一人立ちしていけるように育て上げたお母さんに感動した。
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# by yokopw | 2009-03-30 10:03 | life  

WBC やっぱりイチロー・・・

Excite エキサイト : スポーツニュース

もちろん、野球はチームスポーツであり、誰が!っていうものでもないが、しかし、決勝戦までの試合で、ここぞ、っていうときに点をとってきたのは、明らかに、青木、内川、城島、中島などの選手だったし、加えて、岩隈、松坂をはじめとする投手の活躍だった。

正直、何でスポーツニュースは、いつも、イチローが打った打たないに焦点があたり、インタビューもイチロー中心で、他の選手をもっと公平に評価しないのか、不満であった。

一方、前回のWBCとは違い、不振に喘いだイチローのコメントは、いつになく「折れかけていた心がほぼ折れた」など、素直に自分の心を表現していたのに興味をひかれた。リーダーでありながら、チームを引っ張れない辛さは相当のものだったのであろう。

そして、決勝の延長戦。「神が降りた!」2点タイムリー。もちろん、勝負事には運不運はつきものだが、やはり、目茶目茶大一番で神を呼び込めるところに、イチローのすごさをまざまざと見せつける1球だった。脱帽!

延長になったおかげで、大きな感動をもらえた決勝戦だった。

ところで、岩隈には、これを機に、メジャーに是非いってもらいたいなぁ
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# by yokopw | 2009-03-24 18:01 | leadership  

スキンバンク と 中川大臣出席G7会議

NHKでNGOスキンバンクについての特集をみた。

亡くなる方から皮膚をもらい、それを冷凍保存し、重度の火傷等により皮膚移植が必要となった時に病院から連絡が入り、皮膚を届けるというのがメインの仕事。この事業を3名のコーディネータで行っているというのだが、なんと、スキンバンクは日本に1つしかないという。
それも、今、資金難で存続の危機だとか。昨年の運営費は2800万円、うち、3/4程度が企業の寄付で、1/4程度が病院の会員費で賄われているが、うち、1700万円を寄付していた企業が倒産してしまったのだという。3月からはコーディネータを一人減らす方向。
しかし、皮膚の提供は、亡くなってから6時間以内に採取しないといけないという。急に病院から呼び出しがある場合も多く、コーディネータが減るということは、それだけ緊急な対応ができなくなるということ。他に同様の事業を行っているところはないので、折角提供してくれるという申し出も、無駄になってしまう。

その直前のニュースでは、中川大臣が辞任をするきっかけとなったG7会議についての国会質疑の場面が流されていた。その中で、今回の会議には22名の随行があり、計6000万円の経費がかかったという。

納税者100人が100人とも、スキンバンク事業に旅費の半分でいいから投入されるべき、って思うと思うのだが、そうはお金が流れないところが、制度の難しさなのだろうか。
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# by yokopw | 2009-02-19 21:50 | ちょっと考えたこと  

モーターサイクルダイアリー The Motorcycle Diaries

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チェ・ゲバラ(Ernesto Guevara)とグラナード(Alberto Granado )のバイクでの南米縦断旅行を、ゲバラの日記をもとに再現したもの。
今にも壊れそうな(実際途中で壊れてしまったが)バイクにまたがり、半ば行き当たりばったり的旅で出会った様々な人を通じて、二人が変わっていく様がよく描かれている。

泊めてもらうために近づいたチリの女性、治療を頼まれた老婆、警察に追われている共産主義者、アメリカ資本の鉱山で働くインディオ。。。
南米のヨーロッパであるブエノスアイレスでは、全く接点のなかった人々との出会いだったのであろう。

ゲバラはハンセン病を専門とした医学生であったことから、旅の途中でハンセン病療養所を訪れ、治療にあたっている。そこでは、患者と医師達の住む場所とが大きな川で隔てられ、ボートでなければアクセスできない。
ゲバラは、純粋に、患者が隔離されていることに疑問をもつ。インディオが先祖代々の土地から追われたり、鉱山労働者が危険に晒されながら働いているのと同様に。

彼は最終的に武力で社会を変えるというラディカルな手段をとる。しかし、彼の眼には、資本家が国家警察などの暴力装置を活用してインディオを家から追い出しているように、貧富の格差が放置されている現状そもそもラディカルに映っていたのであろう。
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社会革命を目指すきっかけとなる過程であり、その後の「チェ 28歳の革命」「チェ 39歳 別れの手紙」につながっていく。

グラナードは、カラカスでゲバラと別れてから8年後、ゲバラ司令官をキューバに訪ねたそうだ。そして、ゲバラの死後は、ハバナで医学部を創設したらしい。
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# by yokopw | 2009-02-11 22:53 | 映画  

空白の宰相

安倍首相1年間の主要な事件を中心に彼のリーダーシップの失敗は何かを検証しようとしたジャーナリズム本。

この本の結論では、一言で言うと、無党派層をバックとする点では小泉政権と共通だが、最大の違いは秘書官の役割ということになっている。これも一因かもしれないが、安倍リーダーシップの失敗の理由とするには、最も著者に対するバッシングが少ないのかもしれないが、少し浅薄な気がする。
道路特定財源の一般会計化の最終調整の場面なども、結構細かい取材をもとに描かれているが、小泉政権ですら手をつけられなかった聖域に踏み込んだにもかかわらず、マスコミが冷ややかな反応しか示さなかったという理由も、井上秘書官が記者団に、明日重大発表をするので、これで支持率が上がる、というようなブリーフをしたため、支持率アップのパフォーマンスとマスコミが冷ややかに報じたという分析であったが、秘書官の一言で、マスコミ全体がネガティブな反応になるというのには少し無理がある気がする。

安倍首相も次から次と起こる問題、支持率低下にただ手をこまねいていただけでなく、いろいろと策を講じていたが、結局、安倍の個人的優しさがあだになったという線で説明されている。特に閣僚の不祥事が判明するたびに、閣僚を守ろうとする姿勢は、優しさがあだになった面は大いにあるだろう。

これはオバマ米大統領の最近のニュースを連想させる。厚生長官に指名されたダシュル元民主党上院院内総務の納税漏れが発覚した際、当初は彼を擁護する姿勢をとったが、それが返って批判を招き、撤回し自らの任命責任を認め、ダシュルは辞退することとなった。

チームを守る優しさと、冷徹さの判断は難しい。
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# by yokopw | 2009-02-08 19:10 | leadership  

フェデラー 涙

オーストラリアオープン 男子シングルス決勝。
フルセットの末、ラファエル・ナダルが優勝!

5セット目は、フェデラーが自分から崩れてしまったが、結構フェデラーの本来のプレーが存分に出て、ナダルを押していた感じ。が、タイブレークや5セットなど、重要なところで力んでしまったのか、ミスがでて本当に残念。かなり苦労して勝ち上がってきているようだったし、対ナダル戦には去年のフレンチ、ウィンブルドンでも相当苦しめられているので、今回は勝ってほしかった。

実際、とったポイント数では、ナダル173に対してフェデラー174で、ロジャーが勝っていたのである。

う~ん、残念。。。とはいえ、ナダルとフェデラーの試合は、常にそうだが、今回も息をのむラリーの連続であった。

表彰式のインタビューでフェデラー、言葉が出てこず、こらえても涙が流れだしていた。
悔しさなのか、逆に、かなり善戦できたことへの喜びだったのか。。。
本人もわからないうちに涙が止まらないって感じだった。

今年もフレンチ、そしてウィンブルドンが楽しみである。

http://tennislivechannel24.blogspot.com/
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# by yokopw | 2009-02-01 22:29 | 気分転換  

オバマ 大統領就任演説

アメリカ人の友人が朝3時に起きて、就任演説の会場である連邦議事堂からリンカーン・メモリアルまで続くNational Mollと呼ばれるエリアに突入し、就任式を観た感想をメールしてくれた。彼女は民主党員であり、ブッシュ政権を痛烈に批判するとともにオバマ就任を非常に喜んでいる。

すごい人ゴミと寒さで、押したり押されたりでイライラしそうになると、「obama! obama!」とどこからともなく声があがったという。

特に感心した部分が、「この難しい状況の中、困難な仕事を引き受けてくれた(step up to the plate)オバマ大統領とその夫人に感謝する」という表現。これまで、日本の政治家に対し、例えば、麻生さんが総理を引き受けてくれて感謝する、というような感覚を持ったことがなかった。すごく新鮮に思えた。

別の知り合いからも就任式に参加したという話を以前に聞いた。彼は弁護士で同僚と一緒に参加したらしいが、彼の話は"faithfully"の位置が間違っていたことがすぐにわかり、これは無効なんだろかどうだろうかという話で盛り上がった!という話が中心だった(この宣誓は、無効かどうかは別として、翌日やり直しとなる)。

同じ場にいても人の受け取り方は様々で、おもしろい。
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# by yokopw | 2009-02-01 14:58 | leadership  

チェ 39歳 別れの手紙 (GUERRILLA)

「チェ 28歳の革命」の後編。f0064307_023137.jpg
チェ・ゲバラ(Ernesto Che Guevara)のボリビアでのゲリラ活動を追っている。前編ではキューバ革命を成功する過程に焦点をあてていたが、後編はカストロがゲバラの手紙を読むところから始まる。ここにはもう自分は必要がない、自分を必要としているところに行くと。
キューバで築いた地位や家族をすべて捨てて、彼は、37歳にして別の地で革命を起こそうと周りに黙ってキューバを離れたのである。

が、映画を見る限り、ボリビアでの戦いは相当悲惨なものだった。全く組織化されていず、ゲバラ以外に部隊を統率する司令官的立場の人は特にいなかったようであり、加えて、農民達からの支持も得られず食糧や兵士の調達に相当苦労を強いられている。ボリビア独裁政権が米の支援を受け、ベトナム戦争時の戦い方等を指南してもらい、早い段階から農家等に協力するようにしかけたという点もあるのかもしれない。
また、カストロはキューバ革命において、早い段階で共産党など、意見に違いはあるものの現政権に対抗するという点で一致し、協力関係を築くことにより、運動を大きくしていくことに成功したが、そのような政治的動きに失敗したところも大きいのかもしれない。

前編・後編を通じて残念なのは、なぜ彼がキューバを去ることになったのかという点について全然触れられいないこと。米と敵対関係となったキューバの立場から、カストロはソ連に接近していく。しかし理想家であるゲバラにとっても、ソ連も帝国主義を続けている国であり、政治的妥協が許せなかった。他にも現実的な路線をとっていくカストロとの方向性の違いから、キューバを離れることを決意したのだと思う。
この経緯が大事なのは、ゲバラは共産主義などという主義主張のために戦おうとしているのではなく、貧困から抜け出すためには武力闘争もやむを得ないのだと考えている点である。労働者が酷使され、虐待されて、団結してストを起こすと武力で制圧される、これに対抗するのに武力を使うのがなぜおかしいのかと。あるいは武力を使わなければ変わらないではないかと。

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農民の支援も受けられず、兵隊の士気も下がる中、徐々に追いつめられるゲバラの様子は痛々しい。ボリビア政府の掃討作戦で負傷し、捕まり、処刑され、彼の死体はメディアに公開される。革命の士気をそぐための政治的メッセージであろうが、何も殺す必要はなかったように思えてならない。

なお、サルトルはゲバラの死後、彼のことを"not only an intellectual but also the most complete human being of our age"とコメントしたらしい。
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# by yokopw | 2009-02-01 00:52 | 映画  

風力発電

についての話を聞いた。
ヨーロッパでだいぶ普及しているようだが、日本は湿気も多く、梅雨もあり、台風もあり、加えて地震もあり、ヨーロッパの機械をそのまま簡単に導入すればいいというわけでもないらしい。野ざらしなので、維持管理にもだいぶコストがかかるとか。
また、プロペラの先端までは100m近くになるらしく、運んでくるのも大変であれば、組み立てるにも特殊なクレーンが必要。よって、運送にも港湾だの都道府県だの警察だのとあちらこちらと調整をしないといけないらしい。加えて、住民からの理解を得るのも簡単ではないらしい。

が、クリーンエネルギーとしての期待は高いわけで、外国から運んでこずに日本で作ればいいのに!と思うのだが、なぜか、日本のメーカーは太陽発電の開発には何社もかかわっているが、風力発電はあまりなく、それも輸出用で国内用ではないらしい。コスト・パフォーマンスに見合わないってことなのかな。
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# by yokopw | 2009-01-29 15:57 | ちょっと考えたこと  

ヒトラーの贋札(Die Fälscher,The Counterfeiters)

ナチスがイギリス経済をかく乱するため、強制収容所のユダヤ人達に紙幣偽造をさせたベルンハルト作戦を映画化したもの。実際に1億ポンド以上が偽造されたとか。

強制収容所送りとなった囚人の中から印刷工や元銀行員、通貨偽造詐欺師等をほかの囚人から完全に隔離し、彼らにはほかの囚人とは破格の待遇(といっても白いシーツ付きのベッドとか歯ブラシ支給とか、シャワーが浴びられる等のレベルではあるが)で処遇し、その代り、ポンド偽造に従事させる。囚人の間で起こる、ナチスの利益となる偽造に協力するのか、あるいはサボタージュをして殺されるか、葛藤が描かれている。
実際に、ポンドが成功した後はドル紙幣の偽造を命令されていたが、それはサボタージュにより完成をだいぶ遅らせたようである。


映画の主人公であるサリーは贋札師で、要するに偽札や偽造パスポートを作って生業を立てていたわけで、そういう意味では犯罪者である。一方、収容所の中で彼は、絶対仲間を見捨てないというモラルを徹底するモラリストでもある。
いくら多少他の囚人よりもいい待遇を受けているからとはいえ、ナチの作戦に加担することは、ユダヤ人からすれば当然、自分たちの首を絞める結果をもたらすわけで、正しいことではないかもしれないが、「できる限り生きることを優先」させ、仲間(自分も含めて)を助けることに善悪のボーダーを引いているところが非常に面白い。

この作戦に駆り出されたユダヤ人印刷工エアドルフ・ブルガーの本を基に制作。解放後、彼は偽札作りに関与させられたこと(あるいは強制収容所のこと自体)に触れたくなく、長らく沈黙を守っていたが、ドイツの右派的動きを懸念して、筆を執ったとインタビューで応えている。
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# by yokopw | 2009-01-28 10:47 | 映画  

Intelligence

★ Third Party Rule
  他者が任意に提供してくれたインテリジェンスをその者の許可なしに第三者に流してはいけない
★ Stove Pipes
  生産過程で横の連絡なく、Humint, Sigint, Imintがそれぞれ完全に閉じた環境で収集、 加工、統合、分析、評価、解釈される。
★ Intelligence Community
縦の調整は問題がおこらないが、横の調整はICの長が行うことで、収集の相乗効果が期待できるが、実際にはStove Pipesの問題や最小公分母(Lowest Common Denominator)の問題があり、なかなかうまくまとまらない。
★ SecretとMystery
 Secretは確かに存在するが、現在はアクセスできないもので、Mysteryは存在自体が不確かなもの(スパイで探らせようとしてもでてこない可能性。e.g.ソ連が朝鮮半島に侵攻したら米は派兵するか⇒ 米はソ連の侵攻を想定していなかった) 
★ predictive Profiling
 守るべき環境を決め、インフォーメーションを収集・分析。仮説(Aggressor's Methods of Operation)作成、AMOのサイン(Suspicion Indicators)を予測。
★ Heuristic
 発見的。一挙に最終判断へと飛ぶ。「とりあえずの結論」が仮説となって崩れなくなる。ベテランの分析官が陥りやすい。⇔algorism
★ Analysis of Competing Hypotheses(競合仮説分析)
 気に入った仮説に対し、常に違った仮説をさがす
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# by yokopw | 2009-01-27 10:43 | communication  

American Gangster

実話というのが、驚き!
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1960年代後半のニューヨーク、ハーレム。ギャングが街を取り仕切り、警察内にも腐敗がはびこり取り締まるどころか、押収した麻薬をギャングに横流し。

そのハーレムに革命を起こしたのがFrank Lucas(Denzel Washington)。麻薬の純度を高め、かつ、市価の半値で"Blue Magic"ブランドを売り出したのである。これを実現するために、彼は従来の麻薬入手チャンネルに頼らず、ベトナム戦争でタイに駐留している米兵をつてに
東南アジアから直に麻薬を密輸。それもベトナム帰還兵の棺等に隠して。
Blue Magjicはニューヨークに幅広く浸透。これによりFrankは一気にハーレムの主となり、富を築く。
このBlue Majicを追及したのがRichie Roberts刑事(Russell Crowe) 。
Frankが自分の母親を教会に連れて行っている間に、RichieがBlue Majicを製造していた部屋に突入、兄弟等を逮捕し、Frankが教会からでてきたところ静かに取り押さえるシーンはGod Fatherのシーンを想起させる。
Frankを逮捕後、彼はFrankの協力を得て、ニューヨーク警察の汚職警察官逮捕へと矛先を向ける。そして、警察を退官し、Frankの弁護士となったというエンディングを見て、さらに驚き!!
ただし、警察汚職については、このような汚職の事実はなく、不当に警察の名誉が汚されたということで退職警察官が訴訟を提起したようだが、ニューヨーク警察官ではなかったので棄却された模様。
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# by yokopw | 2009-01-27 00:11 | 映画  

No Country for Men (ノーカントリー)

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意外な展開づくしの後に残るようなミステリー風,独特な映画。

舞台は70年代テキサス。
やはり、強烈なのは、精神的に異常というか、超越している殺し屋Anton Chigurh (Javier Bardem)の存在。「異常」といっても常に冷静沈着、合理的に人を迷わずドンドン殺していく。ただ、一応、彼なりの正義があって、その勝手な理屈に則って殺すべきかどうかを判断している。例えば、コイン・トスで当るかどうかとか、約束を守ったかどうかとか。。。
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会話や人々の行動はすごくノンビリ、ゆっくりしているところがある反面、Chigurhはものすごい勢いで殺し、ストーリーが展開していく。
保安官Tommy Lee JonesがChigurhを追い詰められず、退職してしまうところが、冷静には理解できる展開だとしても、えぇぇ?終わってしまったの?感が残った。
映画としても悪くはないが、本の方がもっと迫力があるのかも。
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# by yokopw | 2009-01-24 22:37 | 映画  

愛の絆 (A Mighty Heart)

Angelina Jolly主演のノンフィクション映画。

2002 年にパキスタンで取材中、テロリストに誘拐されたウォールストリート・ジャーナル紙の記者ダニエル・パール。同じくジャーナリストで、妊娠中の妻(Angelina Jolly)が彼の行方をパキスタン警察や米大使館等と連携しながら追跡。

映画を見ながら次第に、オレンジ色の囚人服を着せられた捕虜が座らせられ後ろに覆面をし銃や刀を持った男たちがアラビア語で聖戦だ~!的なことを言いながら、処刑をするニュースを思い出した。
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# by yokopw | 2009-01-24 12:35 | 映画  

チェ 28歳の革命

f0064307_2013921.jpgチェ・ゲバラがカストロ等と一緒にキューバを徐々に制圧する革命の過程に焦点。
司令官として部隊を統率していくところから、兵士一人一人の間のいさかいを仲裁したり、医師として隊員や村人を介護したりと、きめ細かく何でもやれるリーダーという印象。

国連で演説している実映像なども使われており、各国に対する反論も自分の言葉で語っていた。暗殺計画があるとの情報に、キューバからついてきたボディーガードに別の車に乗るように指示。ボディーガードが食い下がると「誰も死なないよ」と。なんか、かっこいいのである!

後半「39歳 別れの手紙」が楽しみである。 元ナチSSの高官、クラウス・バルビーの生涯を描いたドキュメンタリー「敵こそ、わが友」で、チェ・ゲバラをCIAと協力して捕まえ、死刑にする部分が触れられていたのを思い出した。
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# by yokopw | 2009-01-23 20:01 | 映画  

ピカソ展

国立新美術館、思ったよりも良かった。

印象に残ったのは、並んで展示されていた二人の女性の肖像画。1937年の同時期にかかれているんだけど、なんと、この二人とも愛人。
「ドラ・マールの肖像」f0064307_23473129.jpg
     「マリー=テレーズの肖像」
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ドラ・マールがシャープできりっとした線で描かれているのに対し、マリー=テレーズは、ピカソの娘を生んでいることもあってか、やわらかく丸みを帯びていて、あわい色を基調として描かれている。
ドラ・マールは写真家で、この時期制作された「ゲルニカ」を撮影したというエピソードも残っているが、この二人の女性はゲルニカの前で大喧嘩をしたこともあったとか。

また、ピカソは終始政治的な事柄を絵に書くことはあまりしなかったようだが、スペイン内戦だけは別格だったようである。フランコ将軍を愚弄した漫画のような絵「フランコの夢と嘘」もなかなか興味深い絵であった。
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ちょっと見にくいけど、左側の馬にまたがってドンキホーテのごとく浮かれているのがフランコ将軍。で、その右側に悲惨な現実が描かれている。
「朝鮮の虐殺」と朝鮮戦争を題材に、戦火の悲劇を描いているのも初めて知った。

90歳前後になって描いた「家族」や「母と子」といった絵も展示されていたが、この年齢になっても、目を見張るような色使いは全く衰えず、驚くばかり。

彫刻や工作品も置いてあって、彼は「自分が見たものを印象に残ったとおりに再現する」ということについて、絵画に限らずありとあらゆる手法を使って試みていたんだということを感じた。

相当気まぐれ、わがまま(でも、それが魅力?で数々の魅力的な女性をゲット?)な感じのピカソだが、天才は絵画にしても彫刻にしても、何でもできるんだなぁと改めて実感。
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# by yokopw | 2008-12-01 00:22 | 芸術  

南オセチア紛争

一時は冷戦の再来か?!と注目を集め、アメリカ大統領選挙にも大きく影響しかけた南オセチア紛争も、経済危機の前にすっかり注目度が落ちてしまった気がする。

8月7日にロシア軍が南オセチアに侵攻し、グルジア人村に砲撃したのに対し、グルジアが反撃し紛争になったというのが、少なくとも私の理解だったのだが、それはどうもグルジア側の説明であり、最近になって、OSCEの現地視察団の情報として、グルジア軍が7日深夜に南オセチアの首都ツヒンバリに攻撃を仕掛けたという話がでてきた(11月7日にNYTimes)。
要するに、ロシア軍が一方的に攻撃を仕掛けたというわけではないのかもしれないということ。

この話で思い出すのが、ボスニア紛争。ボスニア・ヘルツェゴビナ共和国側がいち早くアメリカのPR会社を雇い、「セルビアが悪いやつ」「ミロシェビッチはヒトラー的存在」「モスリム人の民族浄化を図っている」といったようなイメージを作り上げ、国際世論を味方につけたという話。高木徹著『戦争広告代理店』に詳しい。

情報がさまざまな情報源から大量に出回っているように見えても、未だに情報の偏向は妨げられないものなのだなぁと改めて実感。大量に出回っているからこそなのかもしれないが。
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# by yokopw | 2008-11-29 10:20 | communication  

職場の大部屋主義を考える

アメリカ政府の役人で、オフィスデザインを行っている人の話を聞いた。
まず、政府の役人に、プロフェッショナルにオフィスデザインを考えている人がいることに感心。

当然、職場は日本のように大部屋に机がボンボンボンと並べられていて見通しがいいというようなものではなく、セパレーツで個々に仕切られているタイプ。

が、それを基にしながらも、ちょっとした話し合いができるようにとセパレーツやキャビネットにはキャスターがついていて、自由に動かすことができ、すぐに2-3人集まれるようなスペースができるように設計。この際、人とよく話すマネージャーと、パソコンに向かっていることの多いアナリストなど職種によってオフィスの活用の仕方が違うことを調査の上、設計を変えたりもしている。

会議室についても、何時ころ、何人規模のどういった会議が開催されるのか、需要を調査した上で設計されており、当然、予約もイントラネット上で管理。

職場環境は優秀な人材を集めるための重要な要素であるとも。

大部屋主義の最大のメリットは、上司(or部下or同僚)が電話で話していたりするのが聞けて、何が起きているかがわかるということ。逆に、「耳ダンボになって周りの話を聞くように!」と新人のころ教育さえされたし、実際、上司も「聞こえていたと思うけど~」と仕事を発注してくることも多かった。
が、電話でなくメールが中心になってきたりすると、そもそも「聞こえていると思うけど~」を期待しての情報共有のあり方は、「以心伝心」に相通ずるところもあって、多種多様な人が多様なスタイルで働く職場にはまったく通用しない。
偉い人は、何の情報をどうやって共有するか、ツールを使って考え直さなければいけないのだろう。

ついでに、大部屋で働いた長い経験からは、集中力とか効率性、居住性のよさからは、圧倒的に、セパレーツで仕切られている環境の方がいいと思う。
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# by yokopw | 2008-11-27 12:39 | communication  

Bボーイ サラリーマン

ということで、一気に読んじゃいました。ヒロさん(エグザイル)の本。やばいっす。

Hiroさんの何に惹きこまれるのか…

やっぱり、具体的な夢と将来的・果てしない夢を語り、熱く努力を続けているところなのかな。きっとリーダーのその姿勢に感化されて、メンバーもExile以外に自分のやりたいことを展開していけているのではないかと思う。

さらに、モラルの高さ。もちろん、昔は違ったんだろうけど。。。会社の社員みんなが幸せになって欲しい、夢を実現させてほしいっていうような。こういう経営者が、目茶目茶競争の激しい音楽業界で成功できているというのも嬉しい。

本では、グループの結束力中心に焦点があたっていたが、実際、メンバーからのコメントを見てもすごく雰囲気がいいんだろうと思うけど、一方で、リーダーであり、経営者となってくると、一人で判断しなくっちゃいけないような場面も多々遭遇しているんじゃないかなぁ。

ついでに、ハマが舞台なのもいいよね。SOGOはHiroさんが建てたらしい(^^;)
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# by yokopw | 2008-10-04 23:44 | leadership  

Black Book

いやぁ~疲れた。疲れるくらいに最初から引き込まれてしまった。f0064307_22134760.jpg

1944年、第二次大戦中のオランダ、ユダヤ人女性のラヘル(カリス・ファン・ハウテン)は、その美貌と機転と大胆さを駆使して対ナチスのレジスタンス活動を生き抜く。
史実をもとに、誰が敵で誰が味方なのか、サスペンスの要素も取り入れられていて、ドキドキしっぱなし。最初の場面で、戦後、イスラエルでのラヘルが生活しているシーンから始まるため、彼女が死んでしまうことはない!と思って見ていられるのが救いだった。

また、ドイツが降伏した直後、レジスタンス活動をしていた人が英雄としてパレードをすると同時に、ナチス軍に加担したオランダ人が糾弾されるシーンも映し出している。ロバートキャパの写真で、確かフランスだったと思うが、ナチス軍相手に興行していた女性が台の上に坊主にされて並ばされているのを見たことがあったが、そういったシーンも生々しく表現されていた。

最後も、建国直後のイスラエルに場面が移るのだが、銃弾の音が聞こえており、戦争は場を代えて続いているというところまでフォローしているのが、印象的であった。

静かだが途切れずに続くドキドキ感は、ドイツ映画の「トンネル」や「善き人のためのソナタ」を観ている時に感じたものと似ており、実際、この映画でドイツ軍将校のムンツェ役を演じたゼバスティアン・コッホは「トンネル」にも出演しているし、「善き人のためのソナタ」ではドライマンという結構渋い役をやっている。時代設定やテーマとしては、フランス映画「レセパセ」を想起した。

おぉぉ!wikiによると、ゼバスティアン・コッホはカリス・ファン・ハウテンと交際中らしい・・・・映画の中では、果たせぬ恋だったのだが、現実で実るとは・・・
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# by yokopw | 2008-09-28 22:30 | 映画  

Hiro (エグザイル)

偶然、テレビの特集を見てはまった。

「化石」と思われるかもしれないが、最近(って結構長い間)J-Popから遠ざかっており、Exileってもちろん名前は知っていたが、それだけだった("exile"って最初に聞いたときに、アウトサイダー感があって、なかなかいいかもと思った印象はあるが)。

テレビを通じてであるが、Hiroのリーダー・経営者としての資質、人間的な深さみたいなものに引き込まれた。例えば、
〇 ドリカムのダンサーをやって、観客との接し方を反省し、考え直した、
〇 avex社長に会うのに、直に連絡するのではなく、彼の行きそうな飲み屋をあたり、タイミングを狙った。
〇 再度武道館でおどりたいっていう具体的な夢があった。
〇 加えて、avexの社長に実現したい夢(要するに企画書)を提出し、結果として、リスクをとって、自分の会社を立ち上げた、
〇 これまでのストーリーを本として出版している(幻冬舎がこういう人材に目をつけているところがさすが)
〇 メンバーが辞めるといったときにも、大きく対応している印象、さらにそれをビジネスチャンスに変えた。

彼の発する言葉の表現は豊かではないが、考えられているって感じるのだ。
メンバーも、病気を公表し、「病気を個性としてとらえている」という発言があったり。wikiで坊主頭にしているのは、自分をカッコつけるのが嫌になったからみたいな解説もあった。

同じくらいの年齢で集まっているグループと違って、自分が一番年上でグループをまとめていく、それもパーフォーマーって結構体力のいる実力の世界でっていうのは、いろいろな面で気を使うだろうし、常にプレッシャーを感じながらやっているんだろう。

携帯ブログをやっているようだが、どうせなら、インターネットで公表してもらいたい。。。
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# by yokopw | 2008-09-27 11:00 | leadership  

『知的生産の技術』

梅棹忠夫著
1969年に書かれた本だが、いまだに得ることの多い内容に驚いた。
彼は民俗学の学者だが、学術的な「知的生産」を行うに際して、どうやって情報を集めるか、集めた情報をどう整理するか、活用するかという手法について詳細に記述している。

彼が試行錯誤していた、ひらがなタイプライターや、カード式の分類など、今ではパーソナルコンピュータが代行することも多く、いかにPCが事務効率を高めているかという点も見えて面白い。彼であれば、今、どのようにPCを活用するのか、知りたいものである。

最近流行のいわゆるノウハウ本の原点となったものではないだろうか。これを読むと、タイトルといい、やろうとしていることといい、勝間和代さんの本は、かなりパクリに見える。まあ、コロンブスの卵であるが。
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# by yokopw | 2008-09-26 20:08 |  

Freedom Writers 

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アメリカ、LAで、ギャングの抗争地域の学校に赴任した新任先生Erin Gruell (Hilary Swank)。授業を無視し、人種間闘争に明け暮れる生徒から、徐々に信頼を得、国語の授業の宿題として日記“Freedom Writer Diaries”を書くことを提案。家庭の事情や友達との関係など、生徒も段々に日記を通じてオープンになり、学校にくる意義を見出していくという実話。

いわば、「ごくせん」を地でいったって感じ。先生はやくざではないが。。。が、生徒への熱の入れ方なんかは、かなり近い。
この話をABCニュースが取り上げ、それが映画化のきっかけになったらしい。

あらすじを書くとあんまりインパクトがないが、予想以上に引き込まれた。生徒って、先生をよく見ている。大人になると忘れてしまうが、大人が気がつかないようなことまで観察している。先生が真剣に生徒に向き合っているということを感じ、生徒も心を開くようになっていく、手ごたえを感じた先生はもっとのめりこんで行く。。。
本来、教師が与えることのできる影響力の大きさを感じる。
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# by yokopw | 2008-09-26 19:57 | 映画  

母べぇ

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戦時中、文学者である父(野上滋)が治安維持法違反で逮捕され獄死。それでも、母と娘たちは父を信じて生き抜くというストーリー。家族を助けていた父の教え子・山崎も兵隊にとられ、戦死するなど、家族を通して戦争の悲劇を訴えている。

治安維持法のような国家監視下で、自分がどこまで強く自分の思想や信念を守りぬけるのかというの問題は、本当に難しい。実際、野上滋のように戦争に反対して投獄され、拷問されても考えを貫いた方々はすごいと思う。
その上で、ただし、この場合、野上滋は、何か運動をしていたわけでもなく、彼が情報をもらしたことにより他の人が捕まるとか、傷つくとかいうことはなく、純粋に彼自身の納得がいかなくなるという設定。父が逮捕されたことにより、家族がつらい思いをしたり、母べえが家計を支えるので無理をして倒れたりという状況に陥っているのを考えると、野上が獄中で本を読み漁っているというのは、何とも歯がゆい思いがした。

いずれにせよ、大変な時代だった。。。
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# by yokopw | 2008-09-26 18:43 | 映画  

敵こそ、我が友 (Mon Meilleur Ennemi )

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元ナチSSの高官、クラウス・バルビーの生涯を描いたドキュメンタリー。
ゲシュタポ責任者としてフランスのリヨンで残虐な行為を行い、87年にフランスで終身刑の判決を受けるのだが、その間、約40年間の逃亡生活がすごい。
戦争後、アメリカの情報機関は、反共の専門家としてバルビーを好待遇で雇い入れる。戦犯としての彼を庇いきれなくなると、バチカンを通してボリビアへ逃がす。そこでも、情報提供者とのネットワークやゲリラ戦の戦い方、拷問のテクニック等を武器に、軍中枢に食い入る。1967年のチェ・ゲバラの暗殺を指導したとも。また、映画では、ボリビアの労働組合運動活動家が、彼の指揮下で受けた拷問について、涙ながらに証言をしている。彼の信条は戦中・戦後一貫しており、アンデスでの第三帝国復活に向けても活動を行っている。そしてその背後で支援をしたり、動向を知っていながら黙認したりしていたのはアメリカ。

1時間半だが、内容はかなり凝縮されており、いろいろなことを感じた複雑な映画であるが、そのうちの一つは、やはり法的裁きの限界。彼はナチハンターにより、40年を経て逮捕されるのだが、リヨンでの裁判では、当然のことながらリヨンで彼が行った拷問の数々について、口を割るまで一本ずつ歯を抜き取るといって拷問された等等衝撃的な証言がされ、最終的に「人道に対する罪」で終身刑となるのだが、そこでは戦後の彼が行った行動については何も触れられず、彼の弁護士も、彼は指示に正確にしたがっていただけで、ベトナムでのアメリカ将校や、アフガンでのロシア将校等の活動と同じではないかと主張している。だが、実際に、彼がボリビア入りしたことで、軍部の取り締まりは強化され、それによる被害は拡大したのは事実である。

また、反共のためとはいえ、ナチ親衛隊を雇い入れ、庇いきれなくなると南米に逃がすというアメリカ。その経験、人脈を巧みに利用した南米政府。バルビーが、みんなで自分のことを利用しておきながら、裁かれるときは自分のみとコメントしていたというが、本当にそうである。

バルビーは60年頃、フランスのナチハンターに見破られ、捕まりそうになるが、実際に逮捕されるにいたるのはその20年後。ボリビアから彼の引渡しを求めるに際し、ミッテラン大統領下のフランスはかなりの資金提供を行ったらしい。彼の引渡しを求めるというところでも、また、国家の政治的配慮が大きく働いている。
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# by yokopw | 2008-07-27 11:21 | 映画